吉田 麻子
1978年生
織りのこと・・・大学で初めて織物を経験しました。
目の前で、緯糸が一本ずつ交差され、經糸と組織されてゆく様子に釘付け。
頼りない一本のいとが、組織されて、体を包む布になってゆくこと。
組織をふやせば、あの一本のいとが、大きなものになること。 このことに今でも興奮しています。
仕事のこと・・・大学卒業してから、いくつかの職場を持ちました。その中で、ずっと織り続けています。
羊毛のこと・・・織りをしてるうちに、糸から作ることに意識が移ってゆきました。
羊毛の糸紡ぎに出会えたことは、幸運でした。
羊の体から生える一本一本が、それだけで汗を吸って吐く機能を持っていること。暖かいけれど暑苦しくない。
中越大震災のときに、体を温めるものの力を知ったことも大きな標でした。
そして羊毛は、毛一本同士が絡み合う、縮絨という特質を持っています。
組織、糸、繊維、、と、どんどん細に見ても絡まっているということ。
このふたつの頼もしさの上で、さまざまな作品を作らせてもらっています。
ワークショップのこと・・・糸を作り、布をつくる力は、だれもが根本に持っていると思っております。
それは、作り手との距離が遠い時代に、生きる自信につながる、と思い、開いています。